高関健のマニアな世界
京響513回定期は、高関健さんの指揮で、少し変わったプログラムが披露された(6日。京都コンサートホール)。
1曲目は、メンデルスゾーンの交響曲第4番「イタリア」。ただし、メンデルスゾーンがロンドンで初演した後に、翌年に2楽章以降を改定した際の楽譜によるものである。通常の版に慣れた耳には、かなり違和感を感じさせる。一般に異稿というと、改訂版が決定稿とされ、初演版が埋もれていたりするものだが、この曲では初演版が決定稿となっている。この異稿があとにできたはずだが、むしろ初演版の方がすっきりとまとまって感じられる。というよりも、初演版の方が外面的な華やかさがある。それに対して、この稿は、やや渋い仕上がりとなっている。どちらがいいかと優劣をつけるべきものではないが、このイタリア交響曲の何か底抜けな明るさが気になる私としては、今回の異稿の方が、より3番や5番の交響曲の世界に近く、好きである。
続いて、バルトークのヴァイオリン協奏曲第2番。独奏は、松山冴花さん。仙台コンクールの覇者で、関西でも何度も演奏されているが、聞くのは初めて。難曲だが、音の力強さが印象的である。大きい音から小さい音まで、また、高い音も低い音も、どのような場面でも十分な響きを保って演奏できる人であり、オーケストラに負けない演奏として、実に協奏曲のソリスト向きである。曲自体は、あまり好きではないので、ヴァイオリンの独奏だけが印象として残った。
ここまで前半2曲が終って8時25分である。短いプログラムならば終演の時間であるが、ここから休憩を挟んで後半は、オネゲルの交響曲第3番。近現代の曲を得意とする高関さんらしい選曲である。こうした曲はオーケストラが上手いと映えるが、今回は京響がかなり健闘して、見事な演奏になった。
最後にコンサートマスターのニキティン氏の退団が発表された。これからコンサートマスターが渡邊さんだけになるがどうするのだろう(シンフォニカーから移籍した田村さんを昇格させるのか?)
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