京フィル「現代音楽の楽しみ」
京都フィルハーモニー室内合奏団の第158回定期公演は、「現代音楽の楽しみ」と銘打った、現代音楽づくしのチャレンジングなプログラミングである。
こうしたプログラムの例にもれず、いつもの定期公演よりも客席に空席が目立ったが、楽団と聴衆の双方が育つこのような演奏会は、大事である。
1曲目は、ジュリアン・ユーのPhilopentatoniaは、五音音階を基本にした作品。とはいっても、現代音楽的色彩が強いので、五音音階とか、中国風というのはそれほど意識せずに聴いた。冒頭の自然の中に吹き渡る風が起こす音のような部分から、音楽が次第に増殖していく様など、なかなか面白い。
2曲目は、松村禎三のアプラスの庭は、フルート、ヴァイオリン、ピアノによるトリオの作品。フルートの竹林さんのフルートが魅力的。
3曲目は、バッハの「フーガの技法」を今日の指揮者の野平一郎さんが編曲した作品から3曲が抜粋して演奏された。バッハは、もちろんずっと過去の作曲家であるが、東京では、バッハと現代作品を並べて演奏するシリーズがあるように現代曲との相性がよいようだ。それは、バッハの機能的なところが、現代作品に通じるからかもしれない。今日の場合は、現代作品の中に置かれた一服の清涼剤か。2曲目の「オクターブのカノン」のマリンバ、ハープ、チェレスタの出す幻想的な響きは格別
後半の4曲目は、武満徹の「ア・ウェイ・アローン」。オーケストラの定期演奏会になぜか弦楽四重奏?という感じだが、今日のプログラミングの中ではしっくりとくる。武満さんの響きとかしか言いようのない音楽にうっとりとさせられる作品
そして最後が、指揮の野平さんの作品「ドゥーブル」。これが結局、一番難解だった。他の作品は、それぞれ野平さんによるていねいな解説があったが、この曲の解説が分かりにくかったからかもしれない。やはり自分の作品を語るというのは、気恥ずかしさがでるのだろうか。それとも他人の作品だからこそ、客観的な視点で、的確なコメントができるものなのか。
いずれにせよ、それぞれ編成も違えば、音楽の雰囲気も違うという演奏する側にとってはたいへんそうだが、聴いている方は楽しいプログラミングだった。
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